生きもの扱う造園の考え方 造園近自然技術
事例編
造園近自然技術は、つぎの基本的な考え方を活かすことのできる場合に効果的な技術ですが、いきものを取り扱う造園では、常に意識すべき考え方でもあります。
造園近自然技術の目的とは、人間と自然の接点となる場を、生物多様性に負荷を与えないように作ることです。
自然と折り合いをつけながらも、人間にとっての「快適さ」「美」を付加するところに大きな特徴があります。
なお、生命を感じる空間、生命を感じる施設であることが必要条件です。(概論編より)
1)造園近自然技術に用いられる材料
水循環、物質循環のサイクルを十分認識する。そのためのメンテナンスを考慮して施設計画を立案し、施工する
2)造園近自然技術に用いられる材料
・石、土、木などの自然材料を極力用いる。
・擬木、擬石のような擬自然材料は、近自然材料とは区別する。
・透水性舗装(アスファルト系、コンクリート系)とPC製エコロジー側溝自体は、造園近自然技術から外れるが、
水循環の考慮と生物に配慮した補完施設として用いる。
3)材料の調達
・地場の材料を極力利用する。
・使用する材料は採取場所の環境負荷低減を考慮する。
4)施工の留意事項
・利用条件、環境を十分に把握し予想される効果と問題点のバランスを考える。
・透水性、表面水の流路を考慮する。
・生物の生息を考慮し、目地、隙間等を工夫して、多孔質な施設作りを心掛ける。
5)管理の留意事項
・いきものを利用した技術である以上、継続的なメンテナンスは必要である。
・耐久性の劣る材料については、必要なメンテナンスを行う。
・こまめにチェックして、必要に応じて管理を行う融通性が求められる。
・木材、チップ、木の葉等の腐食する材料については、あるがままで更新、修理をしないもの以外は、補充、交換、
修理等を予測しておく必要がある。
6)その他
・舗装の種類によっては車椅子、ハイヒールでの利用が困難となる場合がある。
生物多様性と用と美を備えた空間をつくる技術。用、景、興(生物)の空間をつくる技術。
造園近自然技術の目的とは、人間と自然の接点となる場を、生物多様性に負荷を与えないように作ることです。
自然と折り合いをつけながらも、人間にとっての「快適さ」「美」を付加するところに大きな特徴があります。
なお、生命を感じる空間、生命を感じる施設であることが必要条件です。
また、擬木、擬石のような、擬自然材料も近自然技術とは区別すべきでしょう。