関東甲信総支部は、14年度新規事業開拓の一環として校庭の芝生化に取り組むことになった。学校を選定して助成し芝生化工事をモデル的に実施して、工事のノウハウや維持管理のノウハウを会員が取得することにした。
このモデル事業の実施校として長野県南安曇郡三郷村立三郷小学校が選定されて、長野県支部の会員の手によって工事が進められてきたが、このたび完成したのを受けて、去る8月22日総支部傘下の一都八県支部から、会員71名の参加を得て視察会が実施された。会員の関心は高く、参加予定者は予定を大幅に上回った。
視察会では、松本平にある他の芝生の施設の見学も併せて行うことになり、県営サッカー場、松本市立サッカー場、松本市立芝沢小学校グランド私立松本大学運動練習場も視察した。これらの施設を見比べると、芝生は建設や維持のお金のかけ方次第で良し悪しが決まるということが明白だということである。
県営サッカー場は、Jリーグの試合も出来る本格的なグランドで、年間使用回数も制約があり、造園専門業者による維持管理が徹底して行なわれているだけあって実に見事な芝生に仕上げられていた。このグランドの特徴は散水のための設備が地中に埋設されており、散水時にポップアップ式スプリンクラーのヘッドが持ち上がりコンピュータ制御により芝生に均等に散水が可能なことである。
三郷小学校の芝生は、この散水設備の経験が生かされて同様の方式で散水が出来る。ただし、コンピュータ制御システムは備わっていない。
三郷小学校は児童数は1000名の村唯一の大きな小学校であるが、グランド面積は約7000uと大きく、今回は、とりあえずグランド外周部分の約3600uを芝生化した。受注金額は945万円(税込み)である。
比較的寒冷な地であり、秋遅くまでグランドが使われることや使用頻度が高いことなどを総合的に判断して洋芝の播種工法を採用した。
播種後40日目には見事なグリーンが形成され、70日目には使用を開始した。工期を極めて短期間に圧縮したのも大きな特徴である。
管理の課題では、農薬に替わる殺菌剤の使用(施工会員は既に開発済み)などの外、いかに低廉で良い管理をするかであるが、NPOや地域の力も借りながら逐次解決してモデルにしていきたい。児童会長の保崎君は「緑の中で、思いっきり体を動かしたり、寝そべったり、友達と遊んだり出来るかと思うとワクワクしています。児童会では環境や人にやさしい活動をスローガンにかかげ、実行中です。この芝生化によって、ますます地球にやさしく出来ると思うと皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです」と期待を述べています。
芝生化が地球環境の改善と教育を再生することに繋がることは確実です。関東甲信地区の学校に芝生のグランドが徐々に広まっていくことでしょう。
(長野県支部事務局長・滝沢)
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