INDEX

広報 日造協 2005年11月10日 第380号

1面

防災公園など積極的整備へ

 「都市に緑と公園を」全国大会開催


 都市緑化および都市公園保全美化功労者(当協会入賞者)

 

 第21回都市公園コンクール(当協会入賞者)


秋の褒章・叙勲 

 当協会から6氏受章

 

2006−新年- 造園人の集い



建設雇用改善図る

 11月推進月間に多彩な取り組み

【樹林】
 仕様に頼らぬ提案を
       品川区まちづくり事業部道路公園課長  藤田修一

 

2面

技術レポート No.014
 
「植栽基盤診断士学科試験」について 
       (社)日本造園建設業協会技術調査部長  野村 徹郎


  認定制度の目的と背景         

 

  「植栽基盤」とは

  認定試験の概要        

 

3面

公共的空間部門を新設

  第32回造園デザインコンクール

  平成17年度応募要綱を決定

技能五輪全国大会 

  協会員3者が入賞


【麹町箱】

  ビオトープへの理解深める    宮崎県支部

 

【緑滴】
  西武造園梶@  佐藤 岳三

 

事務局の動き

 

4面

【総・支部だより】
 

 青森のきれいな水を保全 支部活動として取り組む     青森県支部

 

 花と緑の教育美術展開催 3百万本のコスモス咲かそう   栃木県支部


 福岡フェア記念事業で「緑化講演会」を開催          九州総支部

 

 「全国都市緑化フェア」鹿児島県での開催目指す       鹿児島県支部

 

1面

 

防災公園など積極整備へ
「都市に緑と公園を」
全国大会開催

「都市に緑と公園を」全国大会のもよう(10月28日) 

  「都市に緑と公園を」全国大会は10月28日、東京・日比谷公会堂で開催され、緑化関連各賞の表彰が行われる中、当協会員も6氏、4社が受賞し、功績が称された。
 大会は、国民が真意豊かさを実感できる緑あふれた、安全で、美しく、個性ある都市の実現を図るとともに、都市の再生、少子高齢化社会の到来、地球環境問題、自然との共生等の21世紀の課題に対応するため都市公園・緑地等の緊急かつ計画的な整備・保全が求められていることから、これらの諸課題に対応するため、広く全国各地から地方公共団体や緑化運動の担い手など、緑に携わる関係者が参集し、都市の緑の保全・創出に対する意識の高揚を図り、緑豊かな美しい街づくりを全国各地に展開するため、毎年開催されているもの。
 冒頭、主催者を代表して田邊昇學6日本公園緑地協会会長があいさつ。「中越大震災や昨年の台風による風水害などをはじめ、国内さらには世界的にも大規模な自然災害に見舞われている。阪神・淡路大震災の経験を踏まえ、防災公園の整備が進められてきたが、わが国の防災公園が世界のモデルとなるよう、これまで以上に積極的な整備が求められる。財政状況は厳しく、多難ではあるが、都市における緑やオープンスペースは、安全確保のために欠かせない。関係各位とともに尽力していきたい」との旨を語った。 次いで、北側一雄国土交通大臣が祝辞。「精神的な豊かさが求められる時代となり、緑への要望はこれまで以上に高まっている。さらに、精神面だけでなく、緑は防災機能をはじめ、京都議定書の発効に伴い、二酸化炭素の吸収源としてもその機能が期待されている。来年は都市公園法施行から50年、国営公園が施行されてから30年という記念すべき年となる。決意を新たに、緑と公園づくりに取り組んでいきたい」と豊富を語るとともに、あわせて各賞の受賞者に対して、お祝いの言葉を述べた。
 その後、都市緑化及び都市公園保全美化功労者、第25回緑の都市賞入選者、第21回都市公園コンクール入選者の表彰が行われた。
 また、講演では、当協会理事の涌井史郎桐蔭横浜大学教授が「愛・地球博が残した明日へのメッセージ ―新しい時代の公園緑地」と題して、愛知万博を踏まえ、公園緑地が今後担っていく、重要な役割について語った。
 そのほか大会では、第25回緑の都市賞・内閣総理大臣賞を受賞した岐阜県各務原市の森真市長が「都市ヴィジョンは″公園都市″水と緑の回廊計画」、国土交通省都市・地域整備局公園緑地課の小川陽一課長が「最近の公園緑地行政について」それぞれ報告を行った。

都市緑化及び都市公園   保全美化功労者       (当協会入賞者)

▼横山桂65 渇。山造園・北海道   
▼渡部佐界58 庄内園芸緑化梶E酒田市
▼藤原恒男70 埼玉グリーンサービス梶E川口市
▼安藤順皓72 東光園緑化梶E渋谷区
▼山本一成66 北越緑化梶E新潟市
▼森田年昭57 森田緑化梶E徳島市

第21回都市公園コンクール (当協会入賞者)

 

国土交通大臣賞=(造園施工・大規模)西中央公園〈全域〉ふじみ野市・(独) 都市再生機構埼玉地域支社、西武造園梶@
国土交通省都市・地域整備局長賞=(造園施工・大規模)柏の宮公園〈日本庭園他〉杉並区・箱根植木梶@
日本公園緑地協会会長賞=(造園施工)国営常陸海浜公園〈中央口広場・水遊び広場〉ひたちなか市・鞄比谷アメニス/(施設・材料・工法)草薙総合運動場〈陸上競技場の全天候トラック舗装の改修〉静岡市・長谷川体育施設

秋の褒章・叙勲
当協会から6氏受章
 平成17年秋の褒章・叙勲受章者が決定し、当協会からは6氏が受章の栄に輝いた。
 【黄綬褒章】石川龍二65 植藤代表取締役・相模原市/上田篤憲66ウエダ会長・小林市/木下文二68木下緑化建設社長・福岡市
 【旭日双光章】井上洋逸74井上緑地建設会長・鹿児島市/西田幸保73西田幸樹園会長・富山市
 【瑞宝単光章】市川一男72市川造園土木代表・狭山市 
2006 -新年-
造園人の集い
平成18年 1月 5日(木)18:00 より
東京・赤坂プリンスホテル新館 2F クリスタルパレス
☎03−3234− 1111
皆様お誘い合わせのうえ、ぜひご参加ください。
建設雇用改善図る
11月推進月間に
多彩な取り組み
 建設労働者の雇用改善の一層の推進を目的に、集中的な周知・啓発活動を行う「建設雇用改善推進月間」が11月1日から11月30日にわたって実施されている。
 最近の建設業における雇用管理の実態は、労働時間の短縮等については着実に進展しているものの雇用関係の不明確性、臨時・日雇労働者への依存、労働福祉の立ち遅れ、死亡災害等の重大災害を含む労働災害の多発など、未だ解決すべき課題が多い状況にある。
 建設業を取り巻く経営環境は厳しい状況だが、今後、建設業が魅力ある産業として発展するには、建設労働者の雇用改善が欠かせない。
 今年度のスローガンは、「雇用改善で、建設の未来を築こう」。11月2日には、厚生労働省、国土交通省、(独) 雇用・能力開発機構の主催で「建設雇用改善推進の集い」が東京・港区の明治記念館で開催され、 建設労動者の雇用改善の取り組みが顕著であった優良事業所等に対し、表彰状の贈呈をはじめ、建設雇用改善にかかわる記念講演が行われた。

【樹林】
仕様に頼らぬ提案を
品川区まちづくり事業部
道路公園課長 
藤田 修一

 先日、テニスのラケットを持ったご婦人とすれ違った。その時、聞こえた言葉…「しながわ中央公園って気持ちいいよね!」 私は「ありがとうございます。」と心の中で叫ぶと同時に、深々とお辞儀をした。こうした言葉を聞くことは公園管理者として大変にありがたいことである。
 しながわ中央公園は平成16年4月に全面オープンした新しい公園である。管理形態は委託であるが、通常の行政側で仕様書を作りこれに基づき管理する手法ではなく、業者からの提案も評価し契約する簡易プロポーザルの手法で実施した。必要な維持管理作業はもちろんであるが、これに民間の新たな、そして自由な発想を加え良好に管理する方法の実現である。仕様書に書かれていることだけをやれば良いと言う時代は終わった。
 例えば、公園内での犬の散歩はどこでも頭を抱える問題である。糞尿の問題やリードを離してしまうことは品川区でも同様に他の公園利用者とのトラブルの元になっていた。これまでの管理では、仕様書に書かれていないことは、とかく管理者には声が届きにくかったり、対応に時間がかかったりしたものである。しかし、自らの発想で管理しているという主体的な考えの下に業者が自ら提案し、これを実現しようというのである。こうして今年度から、しながわ中央公園では公園で愛犬と楽しむためのマナー講習会がスタートした。この他にも公園内の花壇管理への地域ボランティアの参加や押し花教室を提案し実現している。当然であるが区民からは好評を得ている。
 新たな発想は公園の魅力増大であり、区と管理業者の信頼関係の源である。現在、指定管理者制度がスタートしたが、制度の評価が難しいとの声も聞くが、こうした提案、そして実現は大きなポイントではないかと考える。
 今日もみどりの芝生の中でお母さんと一緒に小さな子どもが笑いながら遊んでいる。 明日も笑い声が聞こえるよう、がんばっていこう! 

2面

技術レポート No.014
「植栽基盤診断士学科試験」について 
(社)日本造園建設業協会
技術調査部長 
           野村 徹郎

“商標登録も完了”
唯一無二の資格に

 「植栽基盤診断士」は、(社)日本造園建設業協会が平成15年度に創設した資格認定制度。人工的な環境の広がりに合わせ、固い地盤、排水不良をはじめ、植物が正常な状態で生育できない地盤不良なままでので植栽施工が求められる中、その後の生育不良、さらには枯損などが問題となっている。植物を良好に生育させるためには、適切な植栽基盤の確保が第一であり、これに必要な知識と技術を体系的、組織的に備えるのが日造協の認定制度だ。「植栽基盤診断に関する知識及び技術の教授、植栽基盤に関する資格試験の実施、植栽基盤診断に関するセミナー・シンポジウム・講演会の企画・開催または運営」について、商標登録も完了。名実ともに、植栽基盤に関する唯一無二の資格制度となった。その目的と概要を紹介する。

認定制度の目的と背景

 

 地球環境保全に高い関心が寄せられている現在、自然と調和した生活環境を確保するためにも、緑化の重要性が増している。
 良好に生育する植物は、光合成による二酸化炭素の固定、多量の蒸散などにより、都市部のヒートアイランド現象の緩和や大きくは地球温暖化の防止にも貢献しているとともに、生態系の保全効果も備えていることが明らかになっている。
 緑地の保全、創出、活用のために行われる現在の緑化工事では、量的な確保だけでなく質的な充実も求められている。植栽した樹木の生育不良や枯死は、貴重な生物資源の浪費であるとともに経済的にも大きな損失となり、植栽工事での植栽樹木の枯損や生育不良の原因の研究結果で、最も多いと推測されているものが植栽地の地盤不良である。
 気候に恵まれ雨の多い日本では、自然の状態の緑地や山野の柔らかい土壌では植物が勢いよく繁茂するのが普通であるが、道路や大規模な造成がされた場所などでは、固い地盤や排水不良などにより植物が正常に生育できず、地盤不良のままでの植栽施工が増えるにつれ大きな課題となってきた。
 緑化工事の施工を直接担当する造園技術者には、植物を正常で良好に生育させるための植栽基盤の確保に関する十分な知識と技術力が求められ、植栽基盤に関する質の高い技術者を体系的、組織的に育てていく必要がある。
 このため、(社)日本造園建設業協会では植栽地の土壌の調査、診断、改善処方を専門とする「植栽基盤診断士」制度を平成15年度に創設した。
 「植栽基盤診断士」は、植栽基盤、土壌、植物、植栽に関する知識と経験、及び土壌調査・診断結果をもとにした処方能力を総合的に備え、植栽基盤整備に係る卓越した技術力を有する総合的な専門家である。
 植栽予定地の現況調査と診断、植栽基盤とするために必要な改良の計画立案と具体的な処方を発注者等へ施工性、経済性を考慮して明確にデータを示しながら技術提案することがその重要な役割となる。
「植栽基盤」とは

植栽基盤の概念図

 (社)日本造園建設業協会は、平成2年度から4年間にわたり建設省(現国土交通省)の土木研究所と″植栽基盤の造成技術に関する共同研究″を行った。この時はじめて植栽基盤とは「植物が正常に生育できるような状態になっている地盤」だけを示す用語であると定義し、「植物の根が支障なく伸長して、水分や養分を吸収することのできる条件を備えており、ある程度以上の広がりがあり、植物を植栽するという目的に供せられる土層を植栽基盤という。なお、排水層がある時はこれを含む。」と定義された。
 植栽基盤が成立するためには下記の事項が必要となる。
1.整備すべき範囲の地盤が、十分な厚さと広がりを持つこと。
2.物理的条件として
 ・透水性が良好であること
 ・適度な硬度があること
 ・適度の保水性があること
3.化学的条件として
 ・植物の生育に障害を与えるような有害物質を含まないこと
 ・酸度が適当であること
 ・適度の養分を含んでいること 
  ――が必要である。(図・植栽基盤の概念図)

認定試験の概要

植栽基盤診断士の出題範囲

植栽基盤の概念図植栽基盤診断士の出題範囲植栽基盤診断士になるまでのフロー

  植栽基盤診断士としてふさわしい知識と技術力を有しているかを判定するため、学科試験、技術レポート、実技試験、面接からなる植栽基盤診断士認定試験は今年で3年目を迎えた。
  今年度からは、植栽基盤診断士制度により多くの方々がチャレンジしていただけるよう、植栽基盤診断士制度要綱を改正し、植栽基盤整備に関心を持つすべての方を対象として「植栽基盤診断士補」となる講習会を受講、受験していただき、さらに所定の経験等の要件を満たす方を対象に「植栽基盤診断士」を受験することができるようにしている。
 公共工事では、より良いものを適正なプライスで実現することを主な目的として、多様な入札契約制度が推進され、様々な工事の施工において優秀な技術力とともに技術提案力が求められている。 緑化工事の現場で植栽基盤整備に対する適切な提案をするためには、現場の調査、土壌の物理性、化学性の診断、排水性の確保、植栽される植物の性質や工法、経済性の比較など施工者側の植栽基盤に関する高度な技術が要求される。
 そのためには、計画地の調査・診断結果をもとにして植栽基盤整備の観点にたって下す改善処方能力、提案力を保有していることがますます施工者側に求められることになる。
 植栽基盤診断士として、植栽計画地の調査、診断、改善提案を行うためには、植栽基盤整備に関連する幅広い知識と、実際に現地での各種の調査を行う技術力とともに、調査結果によっては、クライアントに対して判りやすく改善提案を行う能力も必要となる。
 これらの必要とされる能力を判断するための第一段階である学科試験は、植栽技術、土壌学の基礎、植栽基盤整備技術、土壌改良資材および肥料などに関する問題が相当高度なレベルで出題されることになる。(表・植栽基盤診断士の出題範囲)
 過去3回行われた学科試験の問題は、6日本造園建設業協会のホームページで公開されており誰でも見ることができるので興味のある方はご参照いただきたい。
 学科試験合格者は、12月に開催される実技試験までの間に技術レポートの提出を求められ、実際の調査器具を用いた実技試験、口頭試問と面接に合格の後「植栽基盤診断士」として登録することにより植栽計画地や生長に問題のある植栽地で活躍をすることになる。 このような段階をクリアし、植栽基盤に関する高度な技術を持つ植栽基盤診断士は、全国で現在316名が誕生しており、今後その数と質をさらに高めながら活躍することが期待される。


この件に関する問合せ先
(社)日本造園建設業協会  技術・調査部 野村徹郎
〒102-0083
 東京都千代田区麹町5の3、麹町中田ビル9階
☎03-3263-3039、FAX03-3263-3856
 E-mail: nomura@jalc.or.jp 

3面

 

公共的空間部門を新設

第32回造園デザインコンクール

平成17年度応募要項を決定

 

  当協会主催、(社)ランドスケープコンサルタンツ協会並びに全国高等学校造園教育研究協議会共催で毎年実施している「全国造園デザインコンクール」の平成17年度第32回応募要項が決定。今年度より、文部科学省並びに全国農業高等学校長協会の後援に加え、国土交通省並びに6日本造園学会の後援も頂くこととなった。また、「公共的空間」部門を新設し、商業施設ビルの屋上緑化を課題として、これまでの「住宅庭園」、「街区公園」、「実習作品」とともに4部門で応募を受け付ける。

 同コンクールは、美しい国土と快適な生活環境の実現に欠かすことのできない造園空間のデザインと設計技術の向上を図るために実施。応募資格は、@「一般の部」造園の設計・施工管理などに従事している者A「大学生の部」大学、大学院、短期大学、専門学校等において造園に関わる科目を履修している者や造園に興味を持っている者B「高校生の部」高等学校において造園に関わる科目を履修している者や造園に興味を持っている者。

 応募課題は、A「住宅庭園部門」、個人住宅庭園、B「街区公園部門」街区公園、C「公共的空間部門」不特定多数が集まる空間の緑化(今年度は商業施設ビルの屋上緑化)、D「実習作品部門」作庭、駅前・街角などの広場、緑道、校庭緑化、花壇など。

 応募期間は12月12日から平成18年1月20日まで。審査委員会による審査を1月中に行い、表彰式を2月6日に実施する。

 詳細は、日造協ホームページ(www.jalc.or.jp)から、PDFファイルにて、応募要項がダウンロード出来ます。

 皆様のご応募をお待ちしております。

技能五輪全国大会

協会員3者が入賞

 


 

 技能五輪全国大会が山口市の維新百年記念公園第2球場で開催され、当協会員から、銀賞に吹上笑美・椛ス々良造園(山口県)、銅賞に池田祐章・大川内造園梶i佐賀県)、敢闘賞に駒木根佳範・駒造園梶i福島県)が入賞した。

 大会は、10月28日から31日までの4日間行われ、このうち競技は、29日に7時間30分、30日に4時間の合計11時間30分にわたって、40名がその腕を競い合った。

 技能五輪は出場資格23歳以下で、今回は昭和57年1月1日以降生まれが対象。各職種で行われ大会は43回を数え、造園職種での開催は第7回目。世界大会も開かれており、若手の挑戦の場となっている。

【麹町箱】

ビオトープへの

理解深める

宮崎県支部

講演会のもよう

 宮崎県支部では、10月18日にNPO法人日本ビオトープ協会・7日本造園修景協会宮崎県支部との共催による緑化月間講演会を開催、県内の行政機関・教育関係者を始め日造協会員等約100名が参加した。テーマはビオトープ。

 当日は、午後1時30分より @現在日本のビオトープの第一人者である杉山恵一氏(富士常葉大学教授)による「ビオトープ現在の動き」を初めとして A学会から南九州大学関係者による「学校ビオトープ」B施工面から梶岡幹生氏(NPO法人日本ビオトープ協会主席ビオトープアドバイザー・カジオカL・A代表取締役 ― 日造協広島県支部会員)による「ビオトープの施工事例・利活用」の3テーマでの開催であった。

 当日の参加者は、杉山教授によりビオトープの概念を理解し、南九州大学関係者より国内並びに世界の学校ビオトープの現状を紹介され、最後に梶岡氏より国内の施工例並びに提案の方法の具体的アドバイスを頂くことが出来た。今後のビオトープの活用に大きく資するものであったと思われる。

 宮崎県支部では、緑化月間にちなみ、昨年は県木であるフェニックスの危機に対して、その現状・今後の対応計画等を報告する講演会を開催した。本年度は、本部方針にもある通り、新分野への業務開拓 ― 今世紀に拡大する環境産業における、環境創造及び環境修復――を担うためにに、本講習会を開催し、ビオトープへの理解を深めた。来年以降も時事の課題に対し積極的な取り組みを続けてゆきたい。

(宮崎県支部 事務局)

【緑滴】
西武造園
          佐藤 岳三

 

 滴(しずく)は美しいものである。青葉の滴は清々しく、紅葉の滴は色づいて美しい。そして雪国では冬枯れの梢に無数に並んだ滴は氷となってキラキラと輝き、まぶしい程だ。滴は季節ごとに美しいのである。

 このコラムは「緑滴」という。どなたが名づけたかは知らないけれども、とても心地よい語感の響きがある。何ともいきいきとした生命の響きすら覚えたりするのだ。

 植物はそれ自体も美しいのだが、雨、風、霧、雪そして滴などの在り様も美しく、その場面は限りなくある。造園というものの感性と価値はこんなところにもあることを忘れたくない。その意味でも造園の思考は重層的なものだと思うし、ふところ深いものであった方が望ましいのである。

 知性といえば少し気障な言い方になるが、昔々のある時代、現生人類の大脳に革命的な変化が起こり、異なる領域を自在に動いて行く流動的知性なるものがあらわれたという。しかも、横断性を備えた流動的知性は、日常生活で大きな働きをしている諸領域の特化された知性よりも、はるかに高い強度を備えているらしいのだ。でも何となく凄そうなこの知性の獲得は、私達の中でどのように働いているのか私には解らない。ただ、流動的知性というぐらいだから、異なる領域での″違うものが解り″そして、″同じものが解る″ということが可能なのであろうから、重層的思考の中で、色々と比較し、ものの在り方、考え方などをある程度、相対的な関係性を含め正しく判断できるようになったのかも知れない。もしそうだとすれば、この知性は私達の行為の中でかなり中枢的な働きをしているに違いないし、とても大事な知性であることを知らねばならない。

 ここ何年か、色々な制度を創設されたり、そして人々の価値観や意識が変化したりと急がしい。そしてこれらに日々即応すべきことの状況にあるのも事実だが、それだけではない大事なものもあるはずだ。じっくりと足元から深く思考し、より確かなものにするべくことも認識しておきたい。

 私達は、これから何をどのように経験して行くのかの意志を必要とするが、凸レンズのような美しい滴(しずく)に改めて己を映してみるのもおもしろいかもしれない。いかがですか。

【事務局の動き】

【10月】

 3(月)・ 建設業退職金共済制度加入促進等連絡会議 

  4(火)・ 「広報日造協」編集会議

 5(水)・ 都市緑化基金理事会

 7(金)・ 第1回臨時理事会

     ・ 都市緑化月間街頭キャンペーン(数寄屋橋公園)

12(水)・ 福島県造園建設業協会創立30周年記念式典

           ・ 公園緑地管理財団理事・評議員会(国営みちのく杜の湖畔公園)

14(金)・ 平成17年度第1回造園施工管理技術検定委員会

           ・ 福井県造園協会創立30周年記念式典

18(火)・ 第13回財政・運営検討特別委員会専門部会

20(木)・ 造園・環境緑化産業振興会シンポジウム(新潟県長岡市)

21(金)・ 全国建設産業教育訓練協会事務局長会議

24(月)・ 第14回財政・運営検討特別委員会専門部会

     ・ 都市環境緑化推進研究会

25(火)・ 都市緑化技術開発機構屋上壁面特殊緑化表彰式

28(金)・ 「都市に緑と公園を」全国大会

     ・ 自民党税制改正要望

31(月)・ 正副会長・正副常任委員長合同会議

     ・ 建設産業専門団体連合会全国大会

【11月】

 2(水)・ 建設雇用改善推進の集い

 7(月)・ 「広報日造協」編集会議

10(木)・ 総支部長・支部長合同会議

     ・ 第2回臨時理事会

16(水)・ 全国都市公園整備促進大会

20(日)・ 第22回全国都市緑化ふくおかフェア「アイランド花どんたく」 閉会式

21(月)・ 第15回財政・運営検討特別委員会専門部会

4面

【総・支部だより】
青森のきれいな水を

保全支部活動として取り組む           青森県支部

参加メンバーと活動のようす

 当県には「あおもりの川を愛する会」という会があります。平成10年、川の文化の発展に貢献することを目的に発足し、県内建設会社の経営者・会社員・公務員等約430名が会員登録しています。
 このほど第3回目となる「蔦川清掃活動」が同会の主催で行われ、当支部も主旨に賛同の上、支部活動として3年連続の参加となりました。この蔦川は、川幅を広げ災害を防ぐ目的で、平成2年から約10年間にわたり砂防工事が行われましたが、国立公園ということもあり、周辺の植物や生物の生息環境を保ちながら様々な配慮のもとで、工事が行われ、10年後の現在では自然の景観に融け込み、生態系が保たれていればとの願いどおり、植物や生物が豊かに生息し、人々の憩える環境となっています。
 清掃活動は、奥入瀬渓流との合流地点より蔦川上流2qを、川沿い護岸と遊歩道に分かれてゴミ拾いを行いました。この日は会員のほかに県砂防課の職員の方も参加され、秋晴れのもと気持ちよく活動することができました。私たちの生活はすべて水循環でつながっており、青森のきれいな水を守るため、今後も活動を続けていきたいと思います。             (青森県支部・事務局)

花と緑の教育美術展開催

3百万本のコスモス咲かそう

栃木県支部

小中学生が自分たちで育てたコスモスを描いて応募する教育美術展には764点が集まった。

 

  当支部と6栃木県造園建設業協会の共催による「第3回花と緑の教育美術展」が栃木県、栃木県教育委員会、栃木県市町村教育委員会連合会、全県フラワーパーク化推進委員会及び下野新聞社の後援により実施しました。本美術展は、青少年の健全育成と花と緑の大切さと、環境に対する意識の高揚を図り、美術教育の振興と発展に寄与するため毎年開催いたしております。
 6月中に県内の全小中学校にコスモスの種を配布し、児童自らがこれを育成し開花した花を画題に絵を描いていただき、応募された作品を審査し表彰するものであります。その作品は、毎年増加の傾向にあり、第1回343点・第2回461点・第3回の去年が764点と年々応募数が増加しております。
 審査する先生も甲乙つけがたい作品の山に額の汗を拭く間も惜しみながら慎重に審査に当られました。
 平成16年11月13日(土)栃木県教育会館大ホールに、受賞者を始め多くの来賓のご臨席のもと、盛大に表彰式が挙行されました。 表彰式において「次世代を担う皆さんの花と緑に対する関心の高さを示すもので、指導に当られた先生方の熱意に改めて感謝申し上げます」と主催者あいさつがありました。
 近年、台風や集中豪雨等の異常気象は、化石燃料の消費に伴う二酸化炭素の増加による地球温暖化がその原因の一つと言われており、植物による二酸化炭素の吸収が見直されていることから、花と緑の教育美術展への参加によって小中学生に生活の中で、緑に関心を持ってもらえたのではないかと考えております。
 (栃木県支部長・増田 泰男)

福岡フェア記念事業で
「緑化講演会」を開催
            九州総支部

緑化講演会のもよう

 九州総支部では、第22回全国都市緑化福岡フェア記念事業として、緑化講演会を9月30日(金)、福岡市において開催し、国土交通省、福岡市、北九州市、久留米市の各行政機関並びに九州各県支部、造園関係団体の会員等、総勢180名が出席した。
 講演では、国土交通省大臣官房審議官のa梨雅明氏が「公園緑地行政の動向について」と題して、公園緑地行政の特徴、公園緑地行政の推進の枠組み、公園緑地行政の課題と取り組み、公園緑地行政の展望についての4つのテーマについて、「緑化の推進は地球温暖化防止や地域防災拠点として果たす役割は大きく、早急な整備が不可欠」と、海外の主要都市における公園の現況等も交え、詳しく話された。
 次に、九州大学熱帯農学研究センター長の矢幡久教授が、「高速道路高架下の試験植栽」と題して、平成15年度から九州緑化協議会が取り組んできた″福岡南バイパス高架下の試験植栽″を指導された立場から、試験結果を交えて講演された。
 この高速道路高架下の試験植栽については、都市における高速道路周辺の騒音・ほこり・排出される二酸化炭素の吸収等の環境改善、新たな景観形成の面からその結果が注目されている。
                          (九州総支部・事務局)

「全国都市緑化フェア」
鹿児島での開催目指す
         鹿児島県支部

緑化・観光推進へ向け各種活動を行っている

 全国都市緑化ふくおかフェア「アイランド花どんたく」が開催されています。成功裏に終わることを願っているところです。本県支部は、(社)鹿児島県造園建設業協会と一体となって、「全国都市緑化フェア」鹿児島開催の誘致活動に取り組んでおります。昨年、九州新幹線の鹿児島中央駅・新八代駅間が一部開業した際、開通記念イベント実行員会の協力団体として鹿児島市、薩摩川内市、出水市の全小学校を訪問し「プランターの花栽培調査・指導」と駅周辺や市街地への配置作業の奉仕作業を実施しました。鹿児島を訪れた多くの観光客から鹿児島は花がきれいだとの多くの声が寄せられました。
 九州新幹線は、平成23年度に全線開通の見込みです。この機会に鹿児島への誘致を実現していただくよう鹿児島県、鹿児島市をはじめ、関係団体に都市緑化フェアの趣旨を記載した文書を持参し誘致活動を強化しております。地方財政の厳しい中ではありますが、これが実現しますと、観光鹿児島の振興や緑化行政の推進にも大きく寄与するものと考えております。
 地方都市における緑化フェアは、観光団体・農業、漁業関係団体・商工関連団体との連携なくしてフェアの成功は考えられませんので、鹿児島の観光と「みどりと花」のある都市景観形成・田園地帯における「食の安心安全」とみどりを中心とする景観形成等をテーマにしたイベントを実施し、全国や近隣諸国へ鹿児島の豊かさを情報発信できたらとの思いを強くしております。
                    (鹿児島県支部長・間世田 武裕)