広報 日造協 2003年3月10日 第351号

■4面
みどりの校庭特別研究会設立
学校緑化に対応 積極的取組み図る

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 「環境の時代」活躍期待 造園人新年名刺交換会に800人
平成15年度 能力開発セミナーのご案内 プレゼンやCAD講座
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●みどりの校庭特別研究会設立 学校緑化に対応 積極的取組み図る

「校庭の芝生化」など、学校緑化が脚光を浴びる中、学校緑化事業は我われ造園施工業者の仕事であるという再認識のもと、座視黙考することなく積極的にビジネスチャンスを追求することが必要であるとの趣旨から、このたび特別研究会を設立することとし、本格的活動に向けての準備を進めていく。

 昨今、Jリーグの発足をはじめ、サッカーワールドカップの日韓共同開催などを背景にして、全国各地にサッカー場が数多く建設され、芝生に関する情報が増大するとともに、芝草の新品種も多数開発され、スポーツターフとしての芝生化技術が飛躍的に向上している。
 また、文部科学省の補助金やスポーツ振興機運の高まりを受けて「校庭の芝生化」をはじめとする学校の緑化事業が大いに脚光を浴びている。校庭の芝生化は、子どもたちの運動能力や基礎体力の低下が心配される中で、情操・環境教育の場としての活用、強風時の砂塵の飛散防止策や気温上昇の抑制など、環境保全上の効果、地域スポーツ活動の活発化の場としてなどの効果が期待されており、すでに全国200校余りで芝生の校庭が導入され、今後の拡大も期待されている。
 さらに、7都市緑化技術開発機構では、「グランドカバー共同研究会」が芝生をはじめ、多種多様な植物によるグランドカバー緑化の研究を平成8年から行っている。
 こうした動きに対して、当協会においても学校緑化事業は我われ造園施工業者の仕事であることを再認識し、積極的に取り組むべき事業であると、林・福井県支部長から提案があり、技術委員会としても、提案を検討、協会挙げての取り組みとすべく、「みどりの校庭 特別研究会」を創設。各総支部、各支部会員の皆様に周知させていただいた。
 研究会の目的は、造園建設業の分野である学校緑化事業について、研究会に参集する会員間で校庭の芝生化をはじめとする学校緑化に関する情報交換を行い、造園の仕事として確保するとともに、より一層の事業拡大を図ることとしている。
 今後の研究会は以下の5項をポイントに研究を進めていく。
 @「みどりの校庭 特別研究会」に必要な経費(研究会設立後に成果目標等の検討を行い設定)は、研究会の参加企業による受益者負担とし、研究会に蓄積された情報は優先的に使用できるものとする。
 A研究会は、経費の節減、情報交換の効率化を図るため、インターネット、E― メール を活用して行う。
 B研究会のフォーラムは【日造協】のサーバー上に設定する。
 C研究会の成果は、参加者の了承を得て、積極的に発表し、事業拡大に役立てることとする。
 D当面の研究会の成果は、「みどりの校庭」に関するデータベースの整備と事例や特徴などをまとめたプレゼンテーション資料を目指すものとする。

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●「環境の時代」活躍期待 造園人新年名刺交換会に800人





新年名刺交換会であいさつする成家会長

2003年造園人新年名刺交換会は1月7日、東京・千代田区の赤坂プリンスホテルで行われ、約800人を超える関係者が集まった。

 冒頭、官界からあいさつに続き、学会代表よりあいさつ。小野寺浩環境省大臣官房審議官は、「不況というが初めての追い風。今までのハードの予算からじわじわとソフトの予算になっている。自然環境と何らかの名前のついた予算も目立っており、世の中でアメニティを求める意識が育ってきた今、この傾向が逆行することはない。しかし、今まで自然や緑化にかかわりのなかったところから新規参入が相次いでいる。このチャンスを生かすには絶対条件として、競争に勝ち抜くことだ。自然や緑化分野は専門知識はもちろんのこと、豊富な経験がもっとも意味を成す分野であり、こうした点で皆さんの力が発揮されることを期待している」と述べた。
 また、高梨雅明国土交通省都市・地域整備局公園緑地課長は、「我われ造園・公園緑地関係者はいいものを持ってはいるが口下手である。公園緑地の存在意義などをもっと発信していかなければならない。国土交通省ではこれまで均衡ある発展を掲げてきたが、個性ある地域の発展に転換、いろいろな面での改革を進めている。都市公園整備5カ年計画は多大な成果を収め、来年度から新たな形となるが、こうして整備された公園を市民がどのように思っているかが、今後重要な時代となる。国民ニーズに応え、分かりやすい形で整備していく必要があるだろう。具体的には、国家的政策課題に合わせて、都市再生、環境保全、地域活性化の面から法改正を含め、施策を再構築し、予算内示で認められた直轄での防災拠点となる都の有明の丘地区の整備をはじめ、公団のファイナンス的事業や土地買収によらない立体公園や借地公園のあり方など、柔軟に対応。さらに、公園遊具をはじめとするリスクマネージメントの考え方に立った公園の維持管理など、新しい時代に対応した取り組みを図る必要がある。本年はその基礎固めの年として、忌憚のないご意見を皆様からいただきたい」とあいさつ。
 次いで、輿水肇 6日本造園学会長が、「学会は研究者だけの団体ではなく、その学に関して産官学あらゆる情報を科学的情報として発信するものである。このため、経済的影響を受け会員が激減した学会もある。しかし、造園学会は3000余名と会員減は見られず心強く思っている。また、20代30代と若い会員も多く、作品も技術も素晴らしい。若い彼らの特徴は「志」と「柔軟性」だ。かつて、開発か保全か、環境か経済かといった2極から論ずるのではなく、多極、しかもある極からの考えではなく、互いの関係性に着目し、よりよい関係を構築することに着眼している。造園学会では作品集や論文集などにこれらをまとめ、発信している。現在も六本木や汐留などの開発について研究が進められているが、こうしたところにビジネスチャンスがある」と語った。
 その後、乾杯は業界を代表して、成家次男 6日本造園建設業協会会長が「コブシが美しく咲いているのを見て、改めて四季を感じたが、経済にも四季があり、いつまでも冬ではないはず」とあいさつ、祝杯をあげ、歓談。閉会に際しては、松本守国土交通省大臣官房審議官が中締め。「万歳三唱は後の楽しみとして、新年は一唱から」と、高らかに唱和し、造園業界の新年の幕開けを祝った。

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●平成15年度  能力開発セミナーのご案内  プレゼンやCAD講座

 高度職業能力開発促進センター(通称:高度ポリテクセンター)では、今年度も造園関連のセミナーを千葉の幕張で開催いたします。
 申込受付開始は平成15年2月18日(火)午前9時から、まずはお電話にて、受講希望コースをコース番号でお申込ください(043・296・2582)
 内容、お申込方法等の詳細は、必ず下記ホームページでご確認ください(http: //www.apc.ehdo.go.jp)。
 ■コース番号 : 3-30312-1、実施日程:10/21〜10/23。コース名:ランドスケープ
・デジタルプレゼンテーション(植栽計画のための提案書作成技術)定員12名、2万円
 ■コース番号 : 3-30311-1、実施日程:7/29〜7/31。コース名:造園設計のための2次元CADT(図面作成編)。定員12名、2万円
 ■コース番号 : 3-30336-1、実施日程:4/24〜4/25、コース名:造園設計のための2次元CADU(問題解決編)、定員12名、2万円
 ■コース番号 : 3-30336-2、実施日程:12/5、12/12。コース名:造園設計のための2次元CADU(問題解決編)。定員12名、2万円
 なお、申込は先着順です。人数に限りがありますのでご注意ください。また、宿泊施設も完備してます(有料)ので、遠方の方も是非ご活用ください。

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